プロテクトハッコウダ
──八甲田の自然を後世に──


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「(仮称)みちのく風力発電事業」は
2023年10月10日、白紙撤回が正式発表となりました!

(株)ユーラスエナジーホールディングスのホームページより
  →(仮称)みちのく風力発電事業の取りやめについて

日本自然保護協会
 →八甲田山で計画されていた「(仮称)みちのく風力発電事業」が事業廃止に!



 昨年の同日はこの問題を知ってもらおうとシンポジウムを開いた日です。あの頃からこの問題に関する地域や皆さまの空気が変わってきたと感じています。
 一人一人の声がここまで大きくなり、私達の宝を守ることができ嬉しく感じております。

 私たちが始めた署名活動は二年間が経過しました。現在手元にある署名で18,013筆になります。
 全国各地から集まったたくさんの署名に心から御礼申し上げます。
 みちのく風力発電計画の白紙撤回を求める声が徐々に広がり、多くの方々が署名活動に賛同してくださり、全国各地で署名を集めていただき、その結果としてここまでの大きな運動となりました。
 皆様の積極的なご参加、ご協力により私たちの声が行政へ、地域の意志が一丸となり計画の白紙撤回という大きな望みが実現しました。

 このような成果を達成することができたのは、皆様がみちのく風力発電がもたらす懸念に真摯に向き合ってくださったこと、故郷を愛する一人一人の思いと行動力によるものです。
 私たちは地域の文化や歴史、自然環境を共有し、保護していく重要性を強く感じています。そして、本当の意味で持続可能な再生可能エネルギーの開発が、自然環境と地域の共生の上で普及していく未来を願っております。
 みちのく風力発電が計画されたことで、私たちは今まで漠然と持っていた風力発電や再エネの「善」の面だけではないところに向き合いながらも、風力発電を含む再生可能エネルギーへの期待と環境保護の両方を追求することの重要性に気づかされ発信することができました。
 再生可能エネルギーは、私たちが直面するエネルギー課題や気候変動対策において、欠かすことのできない存在です。しかし、その導入や運営においては、全国各地で問題が起きています。今まで以上に地域環境との調和を重視する必要があると感じています。

 再度、署名活動に参加してくださった全ての皆様、陰ながら支えていただいた皆様、この場をお借りして心からの御礼申し上げます。

 ありがとうございました。

令和5年10月11日








以下に私たち Protect Hakkoda が訴え続けたことを残します。




八甲田山を守ろう!
私たちは「(仮称)みちのく風力発電事業」の 中止を求めます。

(株)ユーラスエナジーホールディングス社が、十和田八幡平国立公園を含む青森市、十和田市、平内町、野辺地町、七戸町、東北町の6市町村にまたがる八甲田山周辺で、日本では例を見ない国内最大規模の陸上風力発電事(仮称)みちのく風力発電事業」)を計画しています。

事業計画区域には十和田八幡平国立公園も含まれており、ほぼ全てが森林区域で保安林にあたります。

大規模な森林伐採で、ニホンカモシカやイヌワシ、クマタカなど、動植物の安住の地は奪われ、土地の改変で山の保水力が失われれば、土砂崩れなど災害の危機も増すばかり。

豊かな命が育まれる自然環境は一度失われたら、百年以上取り戻すことはできません。
それほどまでに多大な犠牲を払う風力発電開発はいったい誰のため?

立ち止まり、未来への自然環境を考える必要があるのではないでしょうか?
Eurus Energy Holdings Ltd. is planning Japan's largest-scale onshore wind power generation project, the first of its kind in Japan, around Hakkoda Mountains, which is located in the six municipalities of Aomori-shi, Towada-shi, Hiranai-machi, Noheji-machi, Shichinohe-machi, and Tohoku-machi, including Towada-Hachimantai National Park.

Total output : approx. 600,000kw (single unit output: 4,000-5,000kw x 120-150 units)
Wind turbine : height: 150-200m, rotor diameter: 130-160m
Project area : approx. 17,300ha

The project area includes the Towada-Hachimantai National Park, and almost all of a protected forest.
Large-scale deforestation has taken away the habitat of animals and plants such as Japanese serows, golden eagles, and hawks, and the loss of water retention capacity in the mountains due to land alteration has only increased the risk of landslides and other disasters. Once the natural environment where abundant life is nurtured is lost, it cannot be recovered for more than a hundred years.
Who is the purpose of wind power development, which requires such great sacrifice?
It’s time to stop and think about the future of our natural environment, right?

景観は台無し
 観光へ多大なダメージ
青森市内から奥入瀬・十和田湖へつながる八甲田山系は、国内屈指の観光名所。ブナの新緑が輝く春、紅葉の秋、そしてパウダースノーに憧れ海外からも人々が集う白い季節・・・
四季折々の表情で人々を魅了し、一年中絶えることのない観光客の人気スポットが、巨大風車群で景観を台無しにされてしまいます。
Hakkoda mountains, which connects Aomori-shi to Oirase and Lake Towada, is one of the most famous sightseeing spots in Japan.
The mountain range is one of the most popular tourist spots in Japan, attracting tourists all year round. The scenery is ruined by the giant wind turbines.

野鳥ら動植物が犠牲に
 生態系に及ぼすリスク
事業計画区域は、イヌワシ・クマタカ等の稀少猛禽類の生息域と大きく重なっています。
計画が実施されれば、すみかが奪われ、両種の個体群は絶滅の危機に瀕します。ガンやハクチョウなど渡りの経路になっており、バードストライク(鳥類が風力発電機に衝突して死亡する事故)が多発する可能性も高いです。
バードストライクで犠牲になった鳥類は、米国では年間40万羽という推計もあり、「風力発電は本当にクリーンな発電なのでしょうか?」と警鐘を鳴らす鳥類研究者も少なくありません。
The project area overlaps with the habitat of rare birds of prey such as golden eagles and hawks.
The project area overlaps the habitat of rare birds of prey such as the golden eagle and bear hawk. If the project is implemented, their habitat will be taken away and the populations of both species will be in danger of extinction. The area is also a migratory route for geese and swans, so there is a high possibility of bird strikes. Some estimates put the number of birds killed by bird strikes at 400,000 per year in the U.S. "Is wind power really clean power? Many bird researchers are sounding the alarm.
土砂くずれや水の汚染
 災害のリスク
事業計画区域では、火山噴出物からなる地層が広がっているため、本事業で森林が伐採され、土地が大規模に改変されると、土砂崩れのリスクが高まります。
そのうえ、酸性水の発生や重金属類の流出で、周辺の川や海の環境も汚染するリスクを指摘する専門家の声もあります。
Since the project area is covered with strata of volcanic eruptions, the risk of landslides will increase if the forest is cut down and the land is altered on a large scale.
In addition, some experts have pointed out the risk of polluting the environment of the surrounding rivers and oceans with the generation of acidic water and the discharge of heavy metals.
送電ロスは?
 “費用対効果”の説明を
風力発電は“風”という自然エネルギーを有効に使う手段ですが、“風任せ”。無風時はもちろん、基準以上の強風時には停止して発電できなくなる不安定な電力源です。発電する山間から消費地の市街地までの長距離の送電で、かなりの量が失われる“送電ロス”が起きます。さらに送電網整備のために、送電線や送電設備の建設による自然破壊も避けられません。
Wind power generation is an effective way to use the natural energy called "wind", but it is "left to the wind". Wind power is an unstable source of electricity that can stop generating when there is no wind, or when the wind is stronger than the standard. The transmission of electricity over long distances, from the mountains where the power is generated to the urban areas where it is consumed, results in "transmission loss," where a significant amount of power is lost. In addition, the construction of power lines and transmission facilities to improve the power grid will inevitably destroy nature.
これが本当に地球環境のため?
地球温暖化を止めるためのCO2削減、再生可能エネルギーへの転換が求められている中、自然エネルギーの利用は必要でしょう。しかし、豊かな自然を大規模に破壊してまで作られる電力が、地球環境のためでしょうか?
世界各国が取り組む「SDGs」目標で、陸と海の豊かさを守ろうと目指しているのに、豊かな生態系を崩す行為は本末転倒だと思います。
風力発電の事業期間は約15~20年。恒久的に必要な自然環境と天秤にかけることは間違っていて、払う代償が大き過ぎると思います。日本ではこうした風力発電計画に対し、環境影響評価法という制度で事業者側が調査、評価し進めていきます。この仕組みでは、風力発電乱開発が日本の自然環境を破壊し続けるでしょう。
With the need to reduce CO2 emissions and shift to renewable energy sources to stop global warming, the use of natural energy is probably necessary. However, is electricity produced at the cost of destroying the rich natural environment on a large scale beneficial to the global environment?
The "SDGs" goals that countries around the world are working on aim to protect the abundance of the land and sea, but I think that destroying the rich ecosystem is not the way to go.
The project period for wind power generation is about 15 to 20 years. It is wrong to weigh this against the permanent need for a natural environment, and I think the price to be paid is too high. In Japan, wind power projects are subject to a system called the Environmental Impact Assessment Law, under which the business side conducts surveys and evaluations. Under this system, wind power development will continue to destroy Japan's natural environment.
私たちは(仮称)みちのく風力発電事業の中止、撤回を求めます。
We call for the cancellation and withdrawal of the Michinoku Wind Power Project.

この問題を機に、自然環境、再生エネルギー、自然エネルギーを見直して、後世に豊かで美しい自然を残していけるよう、ご賛同をお願いいたします。

We ask for your support so that we can use this issue as an opportunity to review the natural environment, renewable energy, and natural energy, and leave a rich and beautiful nature for future generations.


表紙写真、日本保護協会レポート


PDFダウンロード
[4.7MB]

 4月6日、(公財)日本自然保護協会が「大型陸上風力発電計画の自然環境影響レポート」を公表しました。
 大規模風力発電事業の自然環境に及ぼす影響が調査されています。
 また、事業者の自然環境への配慮状況なども報告されています。

(仮称みちのく風力発電事業」・(株ユーラスエナジーホールディングス社についても掲載されています。



公益財団法人 日本自然保護協会
https://www.nacsj.or.jp/





冬の八甲田山 樹氷の森
冬の八甲田山 見事に育ったスノーモンスター

“青森の宝”八甲田

八甲田(山)とは一つの山ではなく、大岳(標高1,585m)を主峰とした18の山々が連なる山です。
南側には十和田湖があり、周辺は広い範囲で国立公園、国有林、保安林に指定されています。また、鳥獣保護区特別保護地区に指定されている地域もあります。
真冬はまさにスノーモンスターの世界、人が入り込めないような空間になりますが、冬ならではの見事に澄み切った青空の下、真っ白な自然のゲレンデに自由にシュプールを描けるスキーを5月まで楽しむこともできます。
高地湿原がたくさんあることでも有名です。青森県人なら誰でも田代湿原や睡蓮沼へ行ったことがあるのではないでしょうか。
春の湿原で出会う様々な高山植物、愛らしい花々、秋の広大な紅葉景色。 難易度の高くない登山コースがいろいろあり、ハイキング気分で歩くことができる上に温泉もあるので、青森県内外はおろか海外からの旅行者もたくさんいらっしゃいます。


白銀の世界に描かれたシュプール

新雪の上に描かれたシュプール

まだ若々しいスノーモンスターの子供たち 真っ青な空

自然が作り出す一瞬の景色

冬の陽は短い 樹氷の陰があっという間に長くなります

一面白銀の世界

そびえ立つスノーモンスターたち

スノーモンスター

残雪が輝く八甲田山 夏は近い

残雪が輝く八甲田山

残雪に立つ白樺

残雪に立つブナ林

春の白樺林

ブナ林

田茂萢湿原1

   

田茂萢湿原2

田茂萢湿原

田代湿原

   

田代湿原

   

池

   

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私たちはこれからも“青森の宝”八甲田山を見守り続けます。



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